「サイバー攻撃は大企業が受けるもの」——その常識は、もう通用しません。2026年に入り、国内で公表されたセキュリティインシデントの数は、9か月で前年1年分を超えました。この記事では、まず数字で現在地を確認します。難しい用語はできるだけかみくだいて説明します。
9か月で、去年1年分を超えた
2026年1月から9月までに公表された国内組織のセキュリティインシデントは607件。1日あたり2.2件のペースです。2025年は1年間で594件だったので、すでに前年1年分を上回っています。10月9日時点では659件となり、2024年の645件を超えて過去最多になりました。
情報漏えいは前年同期比49%増
情報漏えいの事案は2026年1〜9月で454件、前年同期比49%増で過去5年で最多です。とくにフィッシング(偽サイトや偽メールでID・パスワードを盗む手口)は4年で約8.6倍に増えました。
中小企業のランサムウェア被害は前年比37%増
ランサムウェア(データを暗号化して身代金を要求する攻撃)は、2025年の国内被害が226件。そのうち中小企業の被害は前年比37%増でした。2026年上半期の報告は123件で、半期として過去最多です。大企業の対策が進んだぶん、対策の手が回りにくい中小企業が狙い目にされていると考えられます。
攻撃される場所は「インターネットに公開しているシステム」
被害にあった組織を「どこを狙われたか」で見ると、38.7%が公開システム(Webサーバ、Webアプリケーション、クラウドサーバ)でした。2025年は30.3%だったので、10ポイントも増えています。
ここが重要です。ホームページも、立派な「公開システム」です。WordPressで作ったサイトは世界中からアクセスできる場所にあり、攻撃者から見れば「入口の候補」になります。
まとめ:狙われるのは「規模」ではなく「隙」
攻撃者は「この会社を倒そう」と思って選んでいるわけではありません。自動的にスキャンして、隙があるところから入ってくる——それが実態です。だからこそ、従業員10人の会社でも、個人事業主でも、関係があります。
次回は、実際にどんな手口で入ってくるのかを7つに絞って解説します。第3回では、今日からできる対策を効果の大きい順にお伝えします。
出典:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」、警察庁「サイバー空間をめぐる脅威の情勢」、Trend Micro「2026年1月〜9月の国内セキュリティインシデントを振り返る」(2026年10月16日)

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